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(2004/05/10)
「イラク人質事件〜邦人保護と自衛隊〜」

 映画が好きで、ハリウッド資本の映画を見ている時に、いつも羨ましくなる時がある。
 それは、映画の中ではアメリカ人がアメリカ以外の外国でピンチになると、海兵隊なり軍隊が助けに来てくれるシーン。また、海外でピンチになった時にはアメリカ大使館に逃げ込むと、キチンと保護してもらえるシーン。

 実際には海兵隊だって行けない国があるだろうし、大使館で保護してもらえない場合もあるのかもしれない。でも、映画で必ずと言ってこのようなシーンがあることは重要だ。それは、殆どのアメリカ人が国によって守ってもらえると信じていること。実際には神話なのかも知れないが、それを国の役割として期待して信じていることなのだ。

 さて、4月に起こったイラク日本人人質事件では、どうだったのか?この事件では、インターネット上では人質になった人の自作自演だとか、危険を度外視した無謀な自業自得だとか、人質になった人への可哀想な意見がある。さらには、救出にかかった費用を負担させようという意見があり、実際に帰りの飛行機代を負担させることになったようだ。

 確かに人質になった人達の背後関係(両親が共産党員)がこの場合不利に働いたこと。また、人質達の家族が、政府への要望の最初の言葉が「何とか救出して下さい」ではなく、「イラクから自衛隊を撤退させて下さい」っていう、極めて政治的な要望だったことなど。政府へのイメージが悪かったのは否定できない。

 でも、国の最も重要な仕事は国民の生命・財産の保護である。それは、例え思想・信条が現政府に批判的であってもである。日本は太平洋戦争の敗戦により海外における自国民の保護に対して、極めてナイーブで弱い状態になっている。

 どんなに普段日本政府に否定的であっても、日本人は海外へ行けば、日本人であることを逃げることはできない。それはどんなに親子喧嘩をしても縁の切れない親子のようなものである。親はどんなにバカな子供であっても、子供がピンチになれば、真っ先に助けるであろう。

 国はどんなことがあっても国民を守る。これを国民に示さずしてどうするのか?また、国民は海外で危険になったら国に助けてもらうことを、当たり前と思い、国を信じることだ。メディアも積極的にこれをPRするべきだ。

 国と国民がお互いを信頼することが、日本人にとって必要なことだ。

kiyohara.net>think>2004/05/05