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(2008/01/08)
「阿南文化会議での提言1」

 平成18年11月から市長の私的諮問機関として阿南文化会議が開催されていました。平成19年の12月まで全部で11回の会議が開催され、「阿南にもっと文化を」というテーマで議論を重ねてきました。

 昨年の12月に報告書をまとめることになりましたので、自分のまとめた報告書を掲載します。

 全ての委員の報告書は阿南市のHPに掲載されています。興味のある方は是非こちらもご覧下さい。


『新庁舎内の美術館構想』

阿南文化会議委員 清原裕登

 旧庁舎の老朽化によって立て替えの予定されている、阿南市役所新庁舎のビル内に美術館を建造することを提案します。

基本コンセプト
1、子供が楽しめて訪れやすい。
2、市民にとって親しみのわく。
3、光をテーマにした現代アートを中心にする。

阿南市に美術館を建造する理由
1、阿南市内で文化を振興するに当たって、拠点となる美術館は必須である。
  徳島県は文化不毛の地であると言われています。ホントに文化が無いのかと言われると反論の余地は沢山あると思いますが、文化振興の拠点とも言うべき美術館が徳島県内にどれだけあるのかといえば、数える程しかないのも事実です。大塚国際美術館、文化の森美術館。阿南市内には残念ながらありません。文化振興を真剣に考えるなら、美術館は必ず必要な施設であると考えます。

2、豊かな感性を持つ子供達の育成のため。
  美術館を訪れる大人というのは、子供の頃に必ず親と一緒に美術館を訪れたことがあるそうです。文化的で心の豊かな生活をするためには子供の頃から文化に親しむことが望ましく、美術館の存在は、学校教育と密接な結びつきにより、子供の情操教育に大きなプラス効果を与えると考えられます。

3、阿南市民にとって憩いの場を提供する。
 欧米の美術館で来場者に訪問理由のアンケートをとると、1番多いのは「ぶらりと立ち寄った」だそうです。美術館とは本来、市民にとって普段からそこにあり、ぶらっと気安く訪れることができる場所であることが望ましい。美術館の設立により、誰もが気安く訪れ文化に触れることができる場所を提供できます。

4、多くの来場者を呼ぶことにより街を活性化させる。
  通常、市立美術館の平均来場者数は5万人程度だと言われています。大成功した「金沢21世紀美術館」で150万人。金沢の例は目標として高すぎるかもしれませんが、金沢市の人口約46万人に対して人口の3倍以上の150万人の来場者の経済効果は非常に大きなものがあります。阿南市の人口が8万人弱のなか、特徴的な美術館により、20〜30万人の来場者が来るなら、街を活性化させることは間違いありません。

阿南市役所内に美術館を建造する理由
1、市民にとって親しみやすく訪問しやすいものにするため。
  市役所も美術館も市民にとって親しみやすく、訪問しやすい場所であるべきことは共通しています。また美術館がどこも展示会のPRに苦労することも共通しています。市役所内に美術館を作ることにより、常に展示作品に対する情報を直結して入手できると共に、市役所に寄ったついでに「ぶらっと立ち寄る」ことが可能になります。また、全国にもまれな美術館は市民にとって必ず自慢の施設になります。

2、同一建物にすることで建設コストを圧縮する。
 市役所と美術館の建造コストを別々に考えるより、一つの建物にした方が総合的に建築コストを下げることが出来ます。

3、コンパクトシティとして
  地方都市においては市街地のスケールを小さく保ち、歩いてゆける範囲を生活圏と捉え、コミュニティの再生や住みやすいまちづくりを目指そうとするのがコンパクトシティの発想です。新庁舎の中に美術館を作ることもコンパクトシティの概念に沿っており、市庁舎を阿南市民にとって利用しやすくて親しみやすい場所にすることができます。

4、全国的にも無い試みとして。
  市役所の敷地内に美術館があるというのは、他にも例がありますが、市役所と同一ビル内というのは例がないと思われます。設立時の美術館の最初のPRとしてマスコミに対しての情報発信も非常に有利に働きます。運営状態が上手くいった場合は、様々な団体からの視察や見学も多く見込むことが出来ます。

おわりに
  バブルの一時期に沢山建てられた美術館や博物館などが、運営の無策により来場者数の低下と運営費の赤字化により行政のお荷物となっている事例は沢山あります。しかし、阿南市に文化を根付かせようと考えるときに、様々な工夫を凝らした美術館を作ることは、市民にとっても、まちづくりの観点からも、非常に有益なことだと考えます。
 また、阿南市は「光の街阿南」として内外にアピールしていますが、現実には常設で一日中観ることが出来る施設はありません。観光という意味からも非常に弱いのが現状です。その点、美術館内なら、昼も夜も関係なく光のアートを展示することが可能です。そして、美術館に「光をテーマにした現代アート」を展示のメインに据えることで、「光の街」の中心施設となることも間違いありません。
 阿南市の子供達のため、そして街づくりためと、この2点をクリアーできるものは美術館しかないと確信して、「新庁舎内の美術館」構想を提案いたします。

kiyohara.net>think>2008/01/08